Zi分子∼流れのまま、心のまま

幼き日の心象風景…徒然に独り語り

時計の針

ある晩、母親は私がマグマ大使を見ている時、「この針がここに来たら帰って来るからテレビ見て大人しく待っとき!」と言って出て行った。

「この針が9のところに来たら…」マグマ大使も終わり、針が9のところに来ても母親は戻らない! 近所を泣きながら走り周り、隣のおばちゃんにばぁばのところ迄連れて行かれた。

母親が戻り説明を聞いて大人は納得したようだが母親はきっちり叱られたらしい…

マグマ大使は夜の7時から、母親が指したのは、短い針が9の位置つまり夜9時に戻ると言ったらしい。
幼い私は、長い針が9の位置、夜の7:45に戻ると思ってたようだ。時計の概念は4~5歳の昔の子供にはまだ無かっただろう…

父親が怪我で入院した病院に行くためだったらしい!

ばぁばの帰った後、思いっきり殴られた「あんたは人の言うことも判らん馬鹿か!」

夜更けに一人子供を置いて行くのは馬鹿では無いらしい。

スーパマンごっこして風呂敷をマント替わりにミシンから飛び降り、風呂敷がミシンに引っかかっておでこを打って泣くと、「もうお前なんか死んでしまえ!」と思いっきり首を締められた。なんか頭の中が気持ち良かった!
気がついたら布団で寝てた。
鬼のような母親の顔は何十年経っても忘れないものだ。